「ぺんぺんぐさ」は青葉台近隣の自然ゆたかな公園や里山を拠点に、週2~5日、1歳半から就学前の20人前後の子どもたちが、ゆったりたっぷり泥んこになって遊ぶ「青空保育」です。保育士5人を中心とした「預かり保育」に、お母さんも少しずつ交代で加わる安心感の中、四季折々を体と心いっぱい感じることで、子ども自らの力で育ちゆく「力」を発揮し、それぞれの個性を輝かせて、やさしくたくましく育ち合っています。

青空保育をしてよかったこと


2012年3月、
里山保育に熟練した保育士さんと、
青葉区のお母さんと子どもたちが集まって、
青空保育ぺんぺんぐさが生まれました。


当初保育士とお母さんたちで
すべてが手作りの活動でしたが、

今は保育者も4人に増え、
保育ボランティアさんも加わって、
保育自体は保育者がひっぱっていきます。

それを月1回程度ずつ交代でお母さんも加わって
保育のサポートに数人加わる形で
子どもの育ちをみんなで見合っています。

負担は最小限にしつつ、
みんなで子どもの育ちを見守っていくスタイル、
お母さんも子どもも安心できる
あたたかい雰囲気づくりを
少しずつ模索しています。

行動派のお母さん、
のんびりタイプのお母さん、
しっかり者のお母さん、
几帳面なお母さん、
外遊びの後はすぐお風呂に入るルールを続行するきれい好き、
虫ぎらい、
木のぼり上手…

いろんな大人がいる、ぺんぺんぐさ。

以下は、立ち上げ当初
「青空自主保育」だったときのものですが、
そんなに大きくは変わっていない気がします。
よかったら、読んでみてください。



~みんなの、「青空保育をしてよかったこと」~


私はぺんぺんぐさ立ち上げメンバーではなく、後から入ったのですが、親子ともに人見知りの私たちを、みんなとてもあたたかく迎え入れてくれました。

入って一番よかったと思っていることは、やっと素の自分を出して、受け入れてもらえる仲間、場所に巡り合えたこと。大人同士が友達になるのはなかなか難しい。知り合いのいない都会で、私自身がとても窮屈な思いをして子育てしてきたなあと改めて感じさせられます。

子どもと二人きりで公園で遊んでも、孤独だったり、人の目や他人が怖かったり。そうではないと思いたいけれど、わが子の人見知り、場所見知りが大きくなるにつれひどくなったのは、私の不安を感じ取っていたからかも、とも思います。

ぺんぺんの子どもたちは順応性が高くて人懐っこく、後から入った私たちを全く警戒することなく、ニコニコ迎えてくれました。他のお母さんたちも、実は人見知りというか、自分の思いを口にするのは苦手、と言っていたけれど、話すうちにあっという間に仲よくなりました。

ぺんぺんで遊ぶ日は、子どもたちを見守る、というより、私たち親子がみんなに見守られて、のびのび遊ぶことができるように思います。子どもたちの笑顔に、毎回癒され、元気をもらえることも、うれしいことです。


それから、育児の悩みを相談できることもうれしいこと。
「預けられないのは、親が悪いんじゃない」
「5秒待つ。次に30秒待つ。」
「激しく泣く時は、泣かせてあげればおさまってくる。一種のパニックだから、何をしてもかえって逆効果。」
など、たくさんみえこさんからハッとさせられる言葉をいただきました。
初めての育児。育児書にも載っていない、でも本当に知りたかったことを聞かせてもらえて、とても役立っています。 そして一人目ママとは共感を、二人目三人目ママには経験を聞けるし、本当はもっとぺんぺんで集まりたい私です。 (M.M


うれしいことがありました。
活動後のMTのとき、私はまた娘の「あっち行く!」につきあってウロついていたので、みんなに呼ばれて行くと、案の定娘はぎゃんぎゃん泣き暴れてしまいました。
でも、「今ママはお話があるから待っててね」と何度か言ったり、みえこさんやKさんが「ごめんね、ちょっと話してるからね」と声をかけると、そのうちひとりで歩いていって、木の裏でしばらくじっとして、何か言ってるなーと思って行ったら「ウンチが出た」と言っていました。
そのあとはブルーシートにコロンとしてうとうと満足したようでした。

今まで、「あっち行く」と言われたら、それが本当の要求じゃなくても従っていたのですが、今日は「お話がある」って言ったら娘はきいてくれるとわかりました。
要求を断ったら、娘は「ママは私のいうこときいてくれないんだ」って諦めてしまうと思い込んでいたのですが、ちゃんとわかってくれて(多少の抵抗はありつつも)、自分で要求を満たすことができるんですね。
いつまでも赤ちゃんだと思って、私は娘をちょっとなめてたのかなと思いました。

実はこの出来事の少し前、朝起きてすぐに「お外行く!」しかも「オムツいや!」と裸んぼで外に出て途方にくれるということが毎朝のように続き、さすがに耐えられないと思っていたところでした。本で読んだ「甘やかし育児」を目指して、娘の要求はなるべくすぐにきく、過干渉でないかぎり過保護なくらい甘やかして育てようと決めている私ですが、要求に応えることがつらくて、喜んで応えることができない自分にイライラして、どうしたらいいかわからなくなっていました。

それが、みえこさんに「オムツだけは安全のためにはかせるようにしようね」と言われ、どんなに抵抗されても「お外は洋服を着てからね」と主張するようにしてからおさまってきていました。
「お外!」「洋服着たらね」というやりとりを繰り返していると、「お外行かない、パイパイでねんね」と言って寝てしまうこともありました。
本当はまだ眠かったのかなあ。

赤ちゃんだった娘には、おっぱい、抱っこ、オムツの要求はどんどん満たしてあげたけど、今の娘には要求されるがままじゃなく、私も譲れないところはちゃんと主張して、向き合うことが必要なのかな。

青空保育を始めて、もちろん娘がたくさん遊べる!預かってもらえる!子だくさん気分!などなどイイことたくさんですが、私にとっては、娘に対して自分がどういうお母さんでいたらいいのか考えたり、みえこさんやみんなにアドバイスをもらえることがいちばんだと思います。 (A.N
           

信頼できるママ友ができて、色々話ができるようになりました。一人で悩むのではなく、話をすることで共有したり、気持ちがラクになったりできます。
「30秒待つといいよ」という保育者さんからのアドバイスも、やってみたら私のイライラもわが子のグズグズも少し解消された気がします。ただ押さえつけるだけで、しつけをしていると思っていたけど、きちんと受けとめて見守ってあげることも大事だと気付けました。 (K.I



自発を待てるように、前よりなった気がします。過干渉だったかな、とも思います。
じ~っと見ているだけのわが子に、あれこれ言いがちだったけれど、みえこさんに「後ろを向いていても、アンテナを張っていて、いっぱい吸収しているんだよ」と言われ、みんなの輪を離れても楽になりました。そのうち、よごれることが嫌だったわが子が、泥をさわったり、手づかみで食べるようになったり。だんだん自己主張ができるようになったり。 (M.M



青空保育に挑戦して、はや4カ月。走り回っていたかと思うとポーっとしたり、甘えてきたかと思うとお友だちを泣かせたり・・・わが子の多面性を知り、驚かされたり悩まされたりの毎日です。

我が家の長女の子育ては、大人が手や口を出し過ぎ、彼女は大人の顔色ばかりうかがっていました。思い返すと親子共に窮屈で息苦しい、彼女に申し訳ない気持ちで一杯・後悔ばかりの幼児期。そんな状態なので、子育てが楽しいとは感じられませんでした。

二番目の子として生まれた長男はついついついでになりがちでしたが、この自主保育に出会ったことで、彼の子育てにも直面できている気がします。家族(何よりも長女)の理解と「ま、いっか」の余裕ができ、6年前よりも沢山笑って過ごせているのが本当に嬉しいです。

この青空保育を始めた当初、みえこさんに「甘えること(人懐っこさ)も才能の一つ」と言われたことが印象に残っています。私が独りよがりな性格なので、大人や同世代の仲間とのつながりを大切にする人間・そこから何かを学び取る人間になってくれたら良いな~と考えています。(同じくみえこさんに「(長女の)育て直しは今からでもできるよ」と言われたことも、励みです)

子どもたち自身の底力は(大人がお膳立てしない方がむしろ)鍛えられるのかもしれません。そして、そうした方が、しっかり体得できるものだと考えています。わが子の底力の芽は まだ出る前段階ですが、親が水を与え過ぎての根腐れを起こさないように見守る鍛錬をしていこうと思っています。 (K.H


ぺんぺんの良さは、ありのままでいられるところ。
こどもの成長や好奇心をゆったり見守ることができるのは、私にとって貴重な場です。
ドロドロになったり、ビショビショになったり、思いっきり遊んで、ケンカもして、ぺんぺんの日の娘はとてもたくましく感じます。
家では甘えん坊の娘がぺんぺんに馴染めるか心配でしたが、意外にも積極的になんでも突入する姿にとても驚きました。
初めて見る表情や行動などなど、ぺんぺんでは毎回発見することが沢山あります。
それもこれもぺんぺんみんながありのままを暖かく見守ってくれているおかげです。
これからもぺんぺんで発見した良い所を伸ばしつつ、娘やみんなの成長を見守っていきたいなあと思います。 (M.M



なかなか外れなかったおむつがとれました。
他の大人にも要求を出せるようになりました。
自分で「これはだめ」と、止められるようになりました。
子ども同士どんどん仲間意識ができていく様子や、それぞれの成長を見守ることができて、おもしろいです。母親の性格、思い、迷いも含めて子どもを見ると、どの子もわが子のように愛おしくなってきました。
気になることがあるときは、保育者さんの見解を交えて話し合い、お互いの思いを共有することで、どう受け止めて、どう対応したらいいか、みんなで見つけて、次の段階へ成長するのを見守りながら待ってもらえました。親同士の仲が密になってきてうれしく、心強い思いです。 (K.S



「ともだちとあそぶ」ことができるようになりました。友だちと遊ぶ楽しさを学んで、家でもぺんぺん仲間の名前が出るし、一人遊び中も登場するので、本人も楽しんでいるんだな~と思います。
平和主義で、物をとられても何も言えず、わりといい子ちゃんだった性格が、他人にも「いやだ」や「ああしたい」とか言えるようになってきて、外に向かって感情を出せるようになりました。他の子たちから刺激をうけて、トイレトレーニングも始められたし、同じ年くらいの子たちと過ごすことは重要なのかな~と改めて感じています。
ママにべったりだったわが子が、他の子どもたちやママやみえこさんにも頼ったり甘えたり反発したり、ママ離れというか関わりが持てるようになってきました。 (K.I






大事にしていることは…

自然の中で、のびのび遊ぶ

なんでもない石ころを大事にポケットにしまって。
おしりふりふりどろんこになって斜面をすべったり、
四つん這いのワンワンになって崖のぼり。
ダンゴ虫やミミズを見つけては、得意げに報告する姿。
舞い散る桜の花びらを夢中で追いかける……

通り過ぎていた何気ない自然の中で新しい発見をしながら、
自由にのびのび遊びませんか。


『手は後ろ、口はチャック。目は離さない』

「見守る」こと、
それは子どもたちが自分で何かをする気持ちを尊重すること。
大きなけがをしないように気をつけて、
やりたいと思ったことは飽きるまでやらせてあげたい。

けんかだって心の肥やし。力加減や対処の仕方を見つけてほしい。
子ども同士の関わりを大切にし、
大人が仲裁するのではなく自分たちで乗り越える力を信じること。
子どもの考えることは大人よりずっとすごいのです。


一人より、みんなで子育て

預けている間に少しだけ自分の時間ができる。
そして、たった数時間離れている間に
子どもはぐんと成長し、キラキラ輝いて見えます。
いない間に遊んだこと、できたことを報告してくれる姿には、
いつもと違うたくましさを感じます。

時々保育に入ってみると、
我が子と二人だけの時間とは違う広がりがあり、
何気ない可愛さ、たくましさを見逃さずにいられる大切さに気づく。
他の子と深く関わることで
自分の子どものようにほめたり叱ったりしているうちに、
一緒に成長していく家族のような気持ちが生まれてきます。


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